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8. 保賀昭雄のアウトドア雑記 2008

 春から少しずつ書くつもりが、紅葉の季節を過ぎ、冬も通り越し、2009年4月にこの文章を書いています。
 2008年の春。温暖化の影響で、もともと低山地に生息するギフチョウを標高600mの地域で写真撮影を試みました。そして4月下旬と5月にかけて、生息地には数回出かけました。山に行ってみると天候の急変で4月末に降雪があり、日陰には溶けることなく雪が残っていました。
当日ギフチョウの姿は、気温の低下のためか見られませんでした。後日現地を訪れた主原憲司さんからは5月10日を過ぎてギフチョウがやっと羽化したと聞きました。同様に山間部のソメイヨシノやカタクリの開花も遅れ、その開花日から約1週間羽化が遅れていることがわかりました。

 5月中旬になって、滋賀県高島市以北の湖北地域に連続した降雨がありました。数日後水の濁りが消えてきた日に、川底が見えないほど稚鮎の遡上がありました。その情報をもとに、鮎捕りに出かけました。この時遡上した鮎の体長は約10cmあり、7月頃に一般的に見られる稚鮎よりも成長が良いものばかりでした。
 2008年の湖西地方にはまとまった雨が少なく、6月から8月までの間ほとんど降雨が無いと言って良いほどの日が続きました。降った雨は田植え直後の水田に引水される為、川や水路の水位は異常なほど少なかったです。その為遡上を誘うほどの水量にはならず、稚鮎の大量遡上は一度も見られませんでした。
 2007年度は、知内川の簗場(やなば)で1000トンの稚鮎の水揚げがあったそうです。しかし、同地での2008年度の漁獲量はわずか10トン。1/100の漁獲高です。
 梅雨前線の雨雲は、福井県嶺北地域や多くは湖東地域にかかり、大雨をもたらしました。その結果、5月下旬には湖東地方の姉川上流域にまで大量の鮎が遡上したと言います。鮎の大量遡上を見ようと、湖西の水路には結局7回も出かけました。採捕した魚の中に、最初ビワマスの稚魚かと思ったのですが、7cmから10cm程度のアマゴの稚魚を何度も発見しました。
 2008年は鮎を見に行った以外に時間を取れず、山地での昆虫写真の撮影などにも行けないでいました。

 異常な夏の暑さからか、誰もが温暖化や気候、気温の変化を話すようになりました。
 京都の名産品である「宇治茶」にも害がありました。この茶の木に発生していたダニを天敵が捕食し、これまで茶には大きな影響がなかったといいます。しかし暖冬となってからは、2番目に多かったダニが天敵らしい天敵がいないためか、大発生してしまいました。
 暖かくなったことで、蝶の仲間も相変わらず南方系の種が勢力を伸ばしています。ナガサキアゲハやムラサキツバメ、ムラサキシジミ、ツマグロヒョウモンは、京都で当たり前に見られるようになっています。さらにソテツを食樹とするソテツシジミが大発生して新聞までにぎわせてしまいました。この蝶は京都市内でも分布をさらに広げ、秋には京都市の中央部を流れる鴨川の上流部でマメ科のハギを食草として繁殖していたとのことです。

 テレビのニュースでも気候の変化を報じていました。房総半島沖の近海には、従来も南方系サンゴが発見されていましたが、さらに新しい種が発見されたといいますし、魚種も南方系の種が見られるようになったことを知り驚きました。自然界の変化は各地で容易に現れ、植物の分野でも目に見える変化として進んでいるようでした。
気温が上昇したせいか、リンゴの実がつく標高が、徐々に上がっているとのことです。冬頃には、今まで年平均気温が低かった地域で、ミカンがよく育ち、実がたわわについたとTVで報道されていました。
 都市部や近郊の地域でも大きな変化が起こっているようです。街の中でタヌキやアライグマ、チョウセンイタチ、クマネズミが見られ、時折都市近郊の野山から出てきたツキノワグマやニホンカモシカ、ニホンジカ、イノシシが農地や家庭菜園、住宅地に出没しています。犬にもうつるという疥癬(かいせん)という病気も広まり、疥癬にかかってしまったタヌキのことをを「疥癬タヌキ」という言葉までも生まれてしまいました。エイズネコの広まりのように、タヌキの疥癬も広がるのでしょうか?いろんな意味で自然から目が離せません。またしばらくの間に、どのような変化が現れるのでしょうか・・・。少し怖い気がしています。
2009.4.10 HOGA 保賀 昭雄
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